インプラントセルフケア用品
現在、某メーカーからの依頼により、インプラント治療におけるセルフケア用品の開発に、当院の歯科衛生士とともに協力している。

インプラント治療は、最長で50年近い臨床例があり、現在、インプラント治療の寿命は、ほぼ、人の寿命と同じと考えて良いとのコンセンサスが得られようとしている。つまり、インプラント単体で考えた時に、インプラントの耐久性はほぼ一生だということである。

しかし実際は、人の寿命にも差があるように、インプラントの寿命にも差があり、それを左右するのも、人の寿命を左右するのと同様、疾患とアクシデントである。

アクシデントは別として、疾患は予防することが出来ることが多い。

特に、インプラントに起きる疾患、「インプラント周囲炎」を防ぐには、歯と同じく、歯ブラシが重要である。

インプラントの場合、その構造上、歯と歯グキの境目あたりがくびれていることが、通常の歯ブラシと違い気をつける点である。

このあたりの、汚れを丁寧に落とすことが、インプラント治療後の歯ブラシのポイントである。それには、通常の歯ブラシ以外に、(インプラント用)歯間ブラシやタフトブラシ(小さな毛束だけの歯ブラシ)などを私は推奨している。

また、患者さん自身が簡単にセルフケアできるような構造にすることも重要であると思える。インプラントにかぶせる冠のつなぎ目は、歯グキの境目にくるので、この精度と素材は非常に重要である。

一般的に細菌の大きさは0.1μ〜3μ程度の大きさであるので、つなぎ目の精度は肉眼的に合っている程度では、細菌にとっては良い棲み処となってしまうことがある。隙間は限りなく少なく、理想を言えば0μであることが望ましいが、インプラントに冠をセメントでつける方式では、セメント分の浮き上がりを考慮して30μ程度隙間を故意にあける。セメントは溶けたり、また、余分にはみ出て残ったりするので、最も重要な場所(歯グキの境目)が最も汚れてしまうということになる。

そのような、欠点をカバーするのがネジ式の留め方である。私は基本的に横からのネジ止め(舌側サイドスクリュー方式)を用いているが、このネジ止めは技術的に高度の技術を要するため、製作出来る技工士が極めて少ない。セメントによる誤魔化しが出来ないので、寸分の誤差も許されず、神業ともいえる高度な技術が必要となる。

但し、超精密な冠を作って、ネジ止めにしたとしても、汚れが付きにくいだけであって、汚れが付かないわけではない。

僅かにでも付いてくる汚れを、患者さん自身が毎日キチンとお手入れする必要性はある。

そのような意味からも、インプラント治療後のセルフケアは非常に重要で、インプラント治療の成否や寿命に大きく関与するといっても過言ではない。また、そのグッズを上手に使いこなせるように、トレーニングすることも同じく重要で、その道のプロフェッショナルである歯科衛生士の存在も非常に重要である。

是非、優れたセルフケア用品を、当院の衛生士と共に提案していきたいと考えている。

インプラント治療の大家
先日、紹介で某食品会社の会長さんが来院された。

下の奥歯にインプラントが入っているが、数年前にかぶせていたものが脱落し、その後、別の歯科医院で治療を試みたが、手に負えず、結局放置されているということであった。

お忙しい方らしく、また、私の都合もあり、予約がなかなか合わず予約が先になってしまったので、その紹介者経由で、インプラントを施術した歯科医院に、埋め込んだインプラントのメーカーとサイズを聞いておいて欲しいと連絡していただき、来院される日を待った。

秘書の方が、スケジュールだけではなく健康管理も行っているのには少々驚いた。某国大使夫人でも、身辺の警備とスケジュールの管理ぐらいであったが、さすが一流企業の会長となると秘書が健康管理も行うものかと、妙に感心させられた。

秘書の方より、そのインプラントのデータが記載されたFAX用紙を受け取って、また驚いた。なんと、そのインプラントを施術したのは、日本でインプラントを広めた第一人者である、○○○先生であった。1992年頃といえば、まだ、インプラントはごく限られた先生しか行っていない頃であったが、インプラントの大家である○○○先生であれば、初めてのケースというわけではあるまい。

しかし、どう見ても、施術はビギナーである。それを知ってか、知らずか、そのFAXには、「このインプラントは、○○□□××・・・・・インプラントセンターの○○○先生が行っております」と、警告文のような言葉が記載されていた。名前に意味があるのであろうか?誰が行ったインプラントなど、意味は無く、X線写真が全てを物語ってくれるというものだ。

100症例のうち99症例が良くても、1症例悪ければ、その1症例は、自院ではなく他院や他のドクターに回ることになる。悪事千里を走る。自分も他人事ではなく、1症例1症例、大事に施術せねばと、気を引き締める良い教訓になった。

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