インプラント講習会 in 金沢 あとがき
無事、講習会を終え家路に着く。

地方の講演会もなかなか良いものだと思った。元々、一人でいるのは好きではないが、たまには一人も良い。昨晩の接待も早々に切り上げていただく配慮を賜り、21時にはホテルの部屋に戻り一人の時間を満喫した。

今朝の朝食も、なぜか洋食でおまけに紅茶だった。いつもであれば、和食にコーヒーが多いが、気分にまかせたら、洋食に紅茶でおまけにレモンを添えようなどと思ったのがおかしい。一人なので、調子が変だと思いながらも、滑稽な気分の変化を楽しむ自分いた。

同期の先生がホテルまで迎えに来てくれて、講演会会場に着く。

講演会は定時に始まるも、いつものように話しが長く、質疑応答に十分な時間が取れなかった。話し下手で、どうしてもシャープでスマートな講演会にならないのが毎度の悩みでもある。

わざわざ金沢まで呼んで頂いたので、こちらも自分の知る知識と経験を余さず伝えようと、気持ちばかり空回りしてしまったように思う。講演会や講習会を終え、いつも「教えに行き、教わって帰ってくるなぁ・・・」と思う次第で恐縮している。

今回も、午前中はインプラントの基礎編、午後は応用編ということで、ビギナーから上級者まで網羅した内容のつもりであったが、質疑応答の際に、「ああ、その件については今回は盛り込んでなかったなぁ」と思うことがいくつかあり、聞き手の気持ちになりきれていなかったことを反省させられた。

帰りの空港までも、同期の先生が車で送ってくれた。来月行われるクラス会のことや近況のことを話しているとあっというまに空港に着いた。

空港でお土産を買う。目当ては、永平寺漬けであったが、どういうわけか、なかった。味付けした寒干し大根で個別の包装に「永平寺」と書かれたあれである、が・・・。どの売店にもなかった。永平寺周辺にしかないのか???と思いながら、あきらめ手ごろなお土産を買った。

久しぶりに行った金沢は、短いながらも印象深い滞在となった。

是非、次回は納得のいく講演をしに再び金沢の地を訪れらればと思う次第である。

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インプラント講習会 in 金沢
羽田−小松がこんなにも近いとは思わなかった。金沢には3度目か4度目とかになると思うが、ほぼ弾道飛行に近い航路には驚かされた。

フライトの途中、夕日に映える富士山に見とれ、スチュワーデスの給仕に気づかなかった。上空から見る富士山はやや尖った感があり、あらためて富士山の美しさを認識させられた。

ホテルの部屋に着き、カーテンを開けて更に驚かされた。眼下には、加賀百万石の夜景が広がり美しい。あいにくの雨模様だが、その雨が夜景をしっとりとさせ、時折聞こえるかすかな雨音が、金沢の夜景には似合っているように思えた。

これから、ご招待をうけた先生方から接待を受けるが、明日は講演会である。午前午後あわせて4時間のボリュームなので、飲み過ぎないようにしよう。

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審美的なインプラント
実は、見た目が良い歯を作るのにインプラントは向かないことがある。

先端技術が効果的というのは時として当てはまらない。歯科ではレーザー治療がそうであろう。「レーザーで治します」と聞くと、非常に有難く思う方も多いと思うが、実はかなり怪しい。信憑性で例えるなら、ダイエットサプリメント程度と考えて良いと思う。ダイエットにはやはり運動が効果的で、楽に簡単にできるダイエットで効果的なものがないことを、誰もが薄々気づいているが、つい試してしまいたくなる現象に似ている。もちろん、レーザーで効果があるものもあるが、レーザーでなくとも同じような効果があり、あえてレーザーを使う意味がない治療がほとんどである。

話はいきなり横道にそれてしまったが、レーザー治療の功罪はまた別の機会にして、審美的なインプラントについて話を戻したい。

歯を作る時に、今や周りの状態(歯ぐきや唇など)との調和を考えないことはない。この周囲組織との調和がやはり、人工物であるインプラントにとっては難しい。そもそも、骨とチタンが癒着することが発見されたことによりインプラント治療はスタートしたが、いうなれば、歯の機能(噛むということ)を回復させるためにスタートしている。歴史的にみて、歯科治療自体がそのような歴史があるので当然だが、まずは痛みをとる治療、そして噛める様にし、最後に見た目を良くする治療について考えられる。つまり、見た目の治療は、痛みをとる治療と噛める治療が確立してから、考えられる治療であるといえる。

昨今、インプラント治療により、咀嚼機能(噛む機能)の回復は、ほぼ完成度の近い治療となったが、審美的な(見た目の)治療は、未だ研究の余地がある。

見た目といえば、前歯であるが、特に連続したインプラントの間にある歯ぐきはとけやすい。なぜ、とけてなくなってしまうかというと、基本的な理由はこうである。歯と歯の間には、歯間乳頭という歯ぐきが存在する。歯ぐきが存在できるには、その下地である歯槽骨が存在しなければならない。歯槽骨は、文字通り、歯の槽なので、歯を入れる器であるが、入れる歯がなくなると役目を失い吸収(とけて)してしまう。

人体のなかで、役目を終えた器官は萎縮する傾向にあるが、これを廃用性萎縮という。

これらの理由から、歯が抜けると歯槽骨が吸収し、歯ぐきが落ち込むという現象が生じる。

さて、インプラントだが、一度落ち込んでしまった歯肉の場所にインプラントを入れても、見た目の良いインプラントにならない。白い歯が、歯ぐきから出てきているだけでよいのであれば、それはそれで良いが、歯ぐきが落ち込んでいるということは、歯が長く大きくなるということになる。前歯であれば、見た目の問題が起きることになる可能性が高い。

これを解決するのが非常に難しい。

理論上、吸収してしまった骨を戻してあげれば良いのだが、骨の増生は難しい。特に、インプラントを行うには本物の骨を作らないといけない。簡単に対処するのであれば、アパタイトのようなものを歯ぐきと骨の間に移植して膨らませておけば見た目は良くなるが、骨ではない組織は、インプラントと癒着をしない。インプラントは骨と癒着することにより、その機能を発揮するので、アパタイトに刺さっているだけの状態であれば、間違えなく、直ぐに脱落する。

一部の臨床家は、あまり理解せずに、(非吸収性)人工骨(ヒドロキシアパタイトが一般的だが、吸収性Bio-OSSなども、実は完全に吸収しないと最近は言われている)をインプラントの周囲に使用するが、安易な使用は、インプラントと骨との接触面積低下させ、出来損ないの癒着しか獲得できないことを再度認識する必要がある。

つまり、人工骨を用いて増生した骨(厳密には骨様組織)の50%が人工骨であれば、インプラントが癒着を獲得できる面積も、理論上50%になってしまう。13mmの長さのインプラントを埋め込んでも、計算ではその半分の6.5mmのインプラントを埋め込んだものと等しくなってしまうと理解すべきであろう。研究データから、7mm以下のインプラントの使用は著しい生存成績の低下を引き起こすとも言われているので、このような人工骨を用いたインプラントの施術は行うべきではないと思える。

(次回につづく)



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ソケットリフトの勘どころ
上顎の奥歯に、インプラント治療を行う際に、ほとんどのケースで上顎洞(副鼻腔)の存在が問題となる。特に日本人(モンゴロイド)では、顕著に問題となる。理由は、日本人の解剖学的形態の特長ともいえるが、上顎洞底が低い位置に存在することが多い。それに引き換え欧米人のアゴの骨は実にインプラント治療を行うのに都合が良く、うらやましい限りであるが、手術する対象は日本人が殆どであるので、指をくわえているだけでは何の解決にもならない。

上顎洞底が下方に位置する場合、上顎洞方向に骨を増生する方法が、サイナスリフトであるが、顎の側方からアプローチするウインドウテクニックと違い、垂直方向からアプローチする、ソケットリフトは体への侵襲も少なく、簡便で確実な方法として、90年代半ばにDr.Summersによって提唱された。以来、10年を経た現在、研究ならびに臨床データが発表され、客観的に良好な術式と判断できるようになった。

ソケットリフトは比較的簡単である。インプラントを挿入する穴を開ける時、上顎洞までわずかに骨を残す。その穴に、骨移植材を詰め、移植材を介して、わずかに残した骨を上顎洞方向に押し上げる。この際に気をつけなくてはいけないのが上顎洞粘膜(と骨膜)を破らないようにすることだ。

以前、ソケットリフトの講習会を行ったが、そこで受講された皆さんの殆どは、器具によって上顎洞粘膜を挙上すると考えていた。ソケットリフトの際に用いる器具をオステオトームというが、直接オステオトームで上顎洞粘膜を挙上するわけではない。穴に詰められた移植材を介して、わずかに残した骨を若木骨折させ、その先にある骨膜と上顎洞粘膜に、骨移植材を介して圧力を加える。移植材は血液と混ざり半流動性であるため、形成された埋入窩にオステオトームが差し込まれ圧力がかかると、全方向に均一な圧力が負荷される。物理学でいう、パスカルの原理が働く。慎重に丁寧に圧力をかけると、上顎洞底の骨面から骨膜ならびに上顎洞粘膜がはがれて行き、その空間に骨移植材が詰め込まれていく。このため、ソケットリフトが成功すると、インプラントを中心に、きれいなドーム状の骨が増生されことになる。

先に、ソケットリフトは、簡便に確実と述べたが、あくまでも従来からのウインドウテクニックと比べてである。術式から想像できるように、繊細な職人芸であることは間違えない。特にオステオトームを槌打し、若木骨折させる瞬間の感覚はまさに目をつぶって指先に神経を集中させた方が良いくらい繊細な作業である。講習会や人に聞かれて、感覚的なものを教えるのは難しく、説明はするが最終的に慣れて体感してもらうしかないと思う。慣れてくると、丁度、地震のP波を感じ取り、次に来るS波を予想することができるように、若木骨折する1打前に、「次の1打で抜けるな・・・」とわかるようになる。その根拠は、槌打する際の音と感触だが、単純にそれだけでもないような気がする。然るに、器具は職人の命とも言えるので、オステオトームも自分で考案した。

このソケットリフトが出来るようになると、症例の幅がグッと広がる。インプラント治療を諦めて頂いていた方々にも、施術できるようになることは非常に有益なオプション外科手術だと思う。

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