EAO
来月は、EAO(European Association for Osseointegration)の16th Annual Scientific Meeting(第16回年次学術大会)がスペインのバルセロナで開催される。海外の学会は米国と欧州を交互に行くようにしているので、今年はEAOにした。去年はAAP(アメリカ歯周病学会)でサンディエゴ、一昨年は今年と同じくEAOでドイツはミュンヘンであった。

どうして、米国と欧州を交互に行くようにしているのかと聞かれると、特に理由は無いが、しいて挙げるなら、両国(とは厳密にはいえない)の学会の性格が180度違うからだろうか。

米国の学会のスタイルを一言で言うと商用的。一方、欧州は学術的。形式(パフォーマンス)重視の米国と格調を重んじる欧州というべきか・・・とにかく、性格がまるで違う。

どちらに興味があるかといえば、どちらも面白いが、新しい事を学ぶには断然、欧州の学会だろうか。特に、手術のテクニックは意外にも(でもないのだが)・・・イタリア勢が熱い。お国柄だろうかイタリアの先生達はアグレッシブだ。数年前のEAOで、骨移植の供給側に頭蓋を用いていたのには度肝を抜かれた。確かに皮下直下にあり、採取しやすい。だが・・・腸骨(腰骨)や膝、脛ぐらいなら採ってくる先として躊躇はしないが、頭蓋はさすがに躊躇する。会場の雰囲気も良い。上品で、人々もお品がある。

一方、米国の学会では、ハリウッド映画並みのプレゼンの仕方が勉強になる。内容はさて置き、人々をひきつける音響効果や色彩効果は実に見事だ。会場も実にアメリカらしく、巨大でど派手なことが多い。

今年はスペインだが、欧州の学会は、開催地の色も濃く出るのがまた楽しい。米国でも一応、開催地の色は出るが、ほとんど同じといっていいだろう。然るに欧州では観光も楽しみとなる。

アーク歯科クリニック
インプラントセンター.jp
寄り道 その1
今日は休日ですので、ちょっとインプラント以外の話をしたいと思います・・・

結婚式シーズン到来で、本日は後輩の披露宴に出席した。新郎は前途有望たる青年歯科医師(?)で、新婦は栄養士ということであった。ふたりの人柄を表すかのような披露宴で、とかく派手さは無いが、暖かい感じで、友人のスピーチや催し物もなかなか良かった。

結婚式や披露宴に出席するたびに、つくづく、初心に戻らないといけないなぁ・・・と思う、自分がいて毎回反省させられる。

人生の中で、妥協なき最愛の人に巡り逢い、一緒にいられる喜びは、時間と共に薄れがちだ。相手が、自分にとって不可欠で、なお、気が張らない相手であればあるほど、感謝することをつい忘れてしまう。よく例えられるが、空気みたいな存在が、夫婦だろう。

そういえば、最近、仕事のことで夫婦喧嘩が時々起こる。そのような時は、私がヤツアタリのように言い放つので、きっと困っているに違いない。仕事のために家内を犠牲にしている。

思えば、大学院3年目のある日、結婚を決め、当時の主任教授に結婚の許しを乞うために教授室へ伺った時の話である。大学院生でしかもこれから学位論文をまとめていかなければいけない時期に、当然、教授は結婚など許してくれることは無いだろうと、密かに退学を決意して教授室のドアをノックした。

その時の考えはこうだった。

  自分にとって今、何を優先しなければいけないのか?

             歯科医業か?

     学位か?

          結婚か?


迷った時には、極端な例を挙げて検証すると答えが見えてくるものだ。

   仕事とは誰のためにするのか?

                 自分のためか?

    人のためか?・・・

           いや、家族のためだろう。

  家族とは?

そうだ、この人のためだろう。この人のために仕事をするのに、この人を犠牲にして仕事をするのはおかしな話である。そう考えたら、気持ちが決まった。しかも、仕事は出来なくなるわけではない。大学院を辞めても、学位が取れないだけだ。でも、この機会を逃したら、後に結婚できたとしても、失った数年は絶対に取り戻せない。何よりも、人生の中で1分1秒でも一緒に生きて行きたい相手との貴重な時間を失うことは、最も愚かなこと感じた。


結婚して12年が経過した。初心に回帰するには、さほど時間が経っているとは言い難いが、結婚式に出るたびに、初心に戻らなくてはと思うのは、初心を忘れてしまっている証拠でもある。

人には様々な初心がある。暫く、喧騒雑多な生活で忘れがちになっていた、結婚の初心だけではなく、様々な初心をもう一度思い出し、確認してみたい・・・
歯周病治療とインプラント治療
インプラント治療は、補綴治療(歯が無くなったところを補う治療)である。

この事は事実ですが、果たして、この考えが狭義なのか広義なのか意見の分かれるところでしょう。

少なくても、従来からの補綴治療に、手術の要素は無い。あっても、補綴的な歯冠長増大術程度であろうが、補綴的な要求に基づき、外科(主に歯周外科)を行う先生が行っていた仕事だということを考えれば、補綴治療に観血的な処置はなかった。百歩譲ってあったとしても、骨体内部にアプローチするような処置は、補綴治療にはない。

そこで、当然であるが、口腔外科か歯周外科の延長線上に、インプラントの手術は存在する。

ということで、口腔外科と歯周外科(歯周病治療)を専門としていた人達が、インプラント治療を導入しやすく、実際、経歴を聞くと、口腔外科や歯周病科ということが多い。

一昔前のアメリカでは、口腔外科の先生がインプラントを埋め込み、補綴の先生が上部構造体を作り、歯周の先生が管理(メインテナンス)を行うというシステムが出来上がろうとしていた時期があったが、結果は成立せず、今は行われなくなってきている。

理由は簡単で、口腔外科の先生は、インプラントを埋め込むことには慣れているが、上部構造体のこと(咬み合わせのこと)はあまり知らない。インプラントを適当に入れ、手術もかなり雑であるという傾向が強い。

補綴の先生は、上部構造体を作るとは言っても、印象(型取り)だけ行い、後は歯科技工士が作製する。補綴の先生の言葉を借りれば「調整が重要」との事だが、優良な歯科技工士の作製する技工物はほとんど調整はいらない(もっとも、調整をしなくてすむ技工物を作ってもらうには、それなりに歯科医師の努力も必要だということは理解している)ので、仕事を右(外科)から左(歯周)に流すだけで、責任があまり無い。

そして、歯周の先生が、メインテナンスとしてもっとも長く患者さんと付き合うことになるが、自分で手がけたインプラントでないものを面倒見て、責任をとれといわれても困るという問題が生じた。つまり、連携を取れれば、良いシステムなのだろうが、お互いの利害がうまくかみ合わなかった。

結果、長く面倒を見るセクションが、最初から全て手がけたほうが良いのでないかという理論になるのは、自然である。おまけに、歯周病治療においては、補綴治療も歯周病治療の一分野である。

一般に、臨在歯が健全な状態(歯肉や歯槽骨に異常が無い状態)で、歯が抜けてしまっているような場合には、補綴治療の専門家(注1)が治療を行い、病的な状態(歯周病など)であれば、歯周病治療の専門家(注2)が行う。
注1:便宜上専門家という言葉を使うが、厳密には補綴に専門医制度は無いため専門家という言葉には問題がある。
注2:専門医制度があるので専門家と称して問題はない。


30歳を超えた国民の8割以上が、口の中に何らかのトラブル(歯周病)を抱えるといわれており、ましてや、歯の喪失理由の大部分は病気(虫歯、歯周病、根尖性歯周炎など)となれば、ほとんどの欠損処置は、補綴でなく、歯周病治療の範疇となる。

特に、歯周病学の見地から、インプラント治療を考えたとき、歯周病罹患歯の取扱いとインプラントの取扱いは非常に似ている。

歯周病罹患歯を、保存する場合には、歯科学の粋を集めて治療を行う。汚れを取るスケーリングは当たり前だが、歯冠形態を考慮して自浄作用を最大限に利用できるようにする。咬合力の分散や効率なども考えデザインする。つまり、歯周補綴といわれるものである。歯周病学は、歯科学全般であるので、当然、インプラント治療も歯周病治療の一部であるのは当たり前のことである。

なおかつ、歯周罹患歯の治癒形態は、長い接合上皮性の付着となり、歯周病の再発を起こしやすい。これが、歯周病に罹患した患者さんには定期的なメインテナンスが必要となる、一つの根拠となっている。

同じように、インプラントの周囲には、上皮性の付着しか存在しない。一部の浅学な人たちが、「インプラントにも生物学的な幅が存在し、それは上皮性の付着と線維性の付着をあわせて2−3ミリ程度存在する」と説くことがあるが、間違えなく、インプラントには線維性付着は存在しない。つまり、インプラント周囲には物理的に強固な線維性付着が存在しないため、天然歯よりも外壁が弱いといえる。このことが、インプラント治療においても、定期的なメインテナンスを行うことを推薦している一つの理由でもあろう。

話は長く、複雑になってしまったが、結局のところ、学問的に考えても、また、世界の趨勢から考えても、インプラント治療は、歯周病治療の一方法であり、歯周病専門医がインプラント治療を行うことが理論的であり、患者利益につながるものと考える。
インプラントは最高か?
本日来院された紹介患者さんの希望は、「最高の治療をしてください」との事だった。

最高であれば、インプラント治療だろうとその患者さんは思って、私のところに紹介されてきた。お口の中を拝見すると、なるほど、今まで歯で苦労なさってきた様子がわかった。ご本人もそうだが、それを診てきた先生も随分ご苦労ななされたと思う。

患者さんは若い頃から、歯周病がひどく、現在、歯は7本しか残っていない。かろうじて残っている歯も、おそらく全て抜歯であろう。少なくても2本は、直ぐにでも抜くような歯である。

プラン立てを始める前に、色々と覚悟を決めていただく必要があるので、最悪の想定(インプラントが出来ない、時間や費用がかかるなど)をしながら、今後の青写真を患者さんと話した。

その中で、患者さんが「インプラント治療が最高」という概念をお持ちだったため、それを改めさせていただいた。理由は治療に最高というものはなく、最良程度であるからだ。インプラント治療は、義歯(入れ歯)に比べれば確かにいいかもしれないが、健康な自分の歯には及ばない。

インプラント治療に対する過度の期待は禁物である。とかく、インプラント治療を至上の治療法と、信者のように思っている患者さんや先生には、あえて、インプラント治療の限界や欠点を説明させて頂くようにしている。

楽観や油断、慢心が思いもよらぬ事故を誘発するとも言え、また、過度の期待は、正常な治療結果も正常と受け入れていただけないことがある。悲観主義者ぐらいが丁度いいように思える。

今日いらした別の患者さんは、左下奥歯のインプラントを入れ、半年経ったが、帰り際の挨拶で「先生、あんなに困っていた歯が、今ではなんでもなかったように生活できます。(インプラントを)やってよかったです。」と言って頂けた。

今は、ニコニコのこの患者さんも、最初は暗い感じの方であった。

他院からの紹介のこの患者さんは、どうにか抜歯せずに、今ある歯を残して欲しいとのことで、1年程前に私のところにいらした。拝見すると明らかに抜歯適応で、5年ぐらい前から同じような状況を繰り返し、私のところでも何とかならないかとのことでした。

歯の中は穴が開き(パーフォレーション)、歯の根には病巣が認められた。抜歯適応で、抜歯を促したところ、歯を残こすことを目的に今まで我慢してきたのにどうしても抜きたくないとの事であった。つまり、患者さんにとっての最高の治療は、歯の保存であった。しかし保存治療とは、残せる(残すべき)歯を残す治療で、残せない(残すべきでない)歯を残す、治療ではない。

そこで、「患者さんの望みは、歯を口の中に置いておく事ですか?それとも、おいしく食事ができるようになることですか?」との質問をした。当然、患者さんは「おいしく食事が出来るようになりたい」とおっしゃった。

患者さんの望みは、「自分の歯でおいしく食事をすること」であるが、現代の歯学では、今の歯を残し、きちんと食事が出来るようになる可能性は限りなく少ないことを説明した。

説明するとがっかりしていた様子でしたが、「但し、抜歯して、インプラントにすればその可能性は、限りなく大きい」ことをお話した。

結果、渋々、抜歯を承諾していただき、インプラントになりました。最高の治療から最良の治療に転化したといえます。

一番良い治療法は、何度も言うように、自分の歯が再び生えてくるような治療法です。しかし、それは現時点では出来ないわけで、その中から、最良の治療法を選択するのが、我々歯科医師の使命でもある。


小さな入れ歯
紹介患者さんは患者さんを紹介してくれるもので、いつの間にか家族全員とかお友達全部とか同僚みんなとか・・・いうことは良くある話しです。

今日、初診で見えられた方も、ご主人からの紹介でした。ご主人も品の良い方でしたが、奥様はもっと上品で、凛とした感じの方でした。以前から、入れ歯に苦労されていて、今回、ご主人がインプラントを行った経緯から、決心をつけたそうです。

女性でしかも、入れ歯の経験が長いと、顎の骨が薄くなっていることが多いので、インプラントは無理そうだとあらかじめ話しておりましたが、とりあえず可能性だけでも話しを聞きたいとのことで来院されました。

口腔内を見て、予想はほぼ的中しました。20数年前に抜歯したという顎の骨は、かなりやせ細っていおり、更に、小さい入れ歯が、顎の骨の吸収を促していました。金属で出来た入れ歯は、20数年前から今までに5度ほど作り変えたそうで、今までその入れ歯にかけたお金がなんと300万円ほどということでした。

本日の診査でははっきり言えませんが、おそらく、通常の形式のインプラントは骨の状態から難しいと考えられ、4-6本インプラントを埋め込み、その上にマグネットのアタッチメントをつける入れ歯形のインプラントになりそうです。

下顎の入れ歯は難しい。理由は様々ですが、上顎に比べ下顎骨の抜歯後の吸収は大きく、顎堤(顎の土手)が平らになってしまうケースが多いからでしょう。顎堤が平らになってしまった場合、(そうでなくても)下顎の入れ歯を作る際には、顎舌骨筋窩のアンダーカットを利用するのが、良い入れ歯を作るコツです。この顎舌骨筋窩は下顎舌側の後方深部であるため、印象採得が非常に難しい。当然、出来た入れ歯も大きくなるし、アンダーカットを利用するため、入れ歯の着脱に工夫が必要となることがあります。

通常、このような入れ歯を製作すると、患者さんには嫌われます。大きいし、出し入れが痛いというのが大方の意見です。しかし、調整を繰り返し、慣れていただくと、ズルズル動いていた古い入れ歯と比べ、食事が良くできるようになる。

このように、入れ歯をちゃんと作ると、術者も患者さんも大変な作業のとなるはずです。しかし、大体の歯医者さんでは、この作業を行いません。理由は明確で、大きくて痛い入れ歯を入れたら、医院の評判が下がり、かつ、手間も時間もかかることなので割に合わないということからです。

すると、痛くなく、違和感が少なく、簡単な入れ歯を作る傾向にある。そんな結果、今回のケースのように小さな入れ歯になってしまい、その入れ歯が原因で、顎の骨がとけてしまう。

入れ歯が合わないので、インプラントにしたいと思ったときには、骨がないので、インプラントは困難というような悲惨な結果は、全て患者さんの身に降り注いできます。

現在入れ歯をしている方に、是非、ご自分の下の入れ歯を見て確認していただきたいい部位が、入れ歯の舌側の奥(ノド側)の部分です。この部分が奥と下に少し膨らんだ形になっていますか?そこが、膨らんだ形になっていれば、きちんとした入れ歯です。

そうでなかった場合、早めに歯医者さんに行き、きちんとした入れ歯を作ってもらいましょう。

インプラントにするつもりは無くても、顎の骨がしっかり残っていれば、入れ歯も快適に長く使うことが出来ます。一時期の調整と慣れる練習を、面倒だからとおろそかにすると、後で大きなしっぺ返しをもらうことになりかねません。

インプラントも出来ず、入れ歯も合わない・・・そうなったら、現代の歯科治療ではその悩みを解決することは出来ませんので、是非、そうなる前に患者さんには正しい入れ歯をしていただきたいと思います。
「インプラントセンター.jp」HPβ版完成
以前から、インプラント治療に特化したHPを作成したいと考えていました。

サーチエンジンで「インプラント」を検索すると沢山のHPが出てきますが、どれも徹底的にインプラントについて述べているHPはなく、少し物足りなさを感じがしていたのがきっかけでした。特に、アカデミックな話題とより臨床的な話題(症例提示)が、どのHPも極端に少ないような感じがしました。

なかなか、時間がなく、とりあえずはβ版として完成させましたが、今後は、もっと充実したHPにしていこうかと考えています。今までの講演会のサマリーや症例提示などを中心に、インプラント治療を広く深く探求していきたいと思います。

HPの名称は、インプラントセンター.jp<http://www.インプラントセンター.jp/>です。

ご覧の様に、日本語ドメインのHPです。現在、ブラウザとしは新参のIEはVer.7以降でしか対応しておりません。多くのユーザーはIE6以下で、日本語ドメインには未対応だと思います。未対応のブラウザで、日本語ドメインのHPをご覧になる場合には、日本語ドメイン名プラグイン(i-Nav)をインストールする必要があります。日本語ドメインに対する詳細は、日本語ドメイン名協会まで・・・・

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