すべての女性が輝く社会
政府は総理主導で,『「すべての女性が輝く社会づくり本部」が司令塔となり、女性の活躍を阻むあらゆる課題に挑戦し、「すべての女性が輝く社会」を実現します。』と全国的なムーブメントを創出することに尽力しています.(http://www.kantei.go.jp/jp/headline/josei_link.html

アーク歯科でも,開業来,『女性の、女性による、女性のための歯科医院』作りに邁進しています.(http://www.arkdent.com/recruit/

しかし,女性の活躍を阻む課題を解決することは容易ではない.特に,私たちの歯科界のように専門性の高い仕事に対して,女性のライフイベントや生活環境が抱える問題は簡単にクリアできない現実がある.

女性のライフイベントや生活環境でもっともダイナミックに影響するのは,出産と育児であろう.

アーク歯科のスタッフは子宝に恵まれ始めるとどうも連鎖反応があるらしい.現在,総勢20数名の現役スタッフ中,子宝に恵まれたスタッフは4名.その内1名が,妊娠初期に切迫流産と妊娠中毒症とで入退院を繰り返すことになってしまい,休職して数か月が経つ.そして,現在1名が,産休に入っており,あと2カ月ほどで更にもう1人が産休に入る予定である.

幸い,育休中の衛生士1名が子育てに若干の余裕が出てきて,週に数回午前中だけ復帰をしてくれるようになったが,幼い二児の母親としては,フルに職場復帰は出来ない.

産休や退職に伴い,人員を募集したいところであるが,資格を持っていれば誰でも良いというわけにはいかない.

歯科医院はやや特殊な職場環境である.基本的な仕事作法は共通でも,治療哲学や高度な処置に対する知識や技術には差があるものである.人手不足だから,猫の手も借りたいと本当に猫を連れてきては返って手間がかかるように,誰でも良いわけではない.

加えて,歯科界は慢性的な人手不足である.特に歯科衛生士は,1歯科医院あたりの人数が1人を切っている現状があるように,絶対数が足らない.

当院には現在6名の常勤,3名の非常勤歯科衛生士がいるが,現在,このうち1名が産休に入り,1名が妊婦である.2名減に対し,あれこれ対策を講じているが,なかなか解消できそうもない.他の歯科医院からは,「6+2名の衛生士がいるのに贅沢な悩みだ」と言われるが,当院の診療形態には熟練の歯科衛生士は必須であるため,2名減は正直,医療サービスのクオリティに影響しかねない問題で頭を痛めている.

このような状況で,先日,ちょっとしたアクシデントがあった.

ある常勤衛生士の身内にご不幸があり,休むこととなった.女性には限ったライフイベントではないが,熟練衛生士の年齢になると,このような不祝儀も仕事を休まなくてはならない問題である.特に女性は,葬儀となれば何かとやることは多く,ましてや親戚やご近所との関係で,葬儀に前後して留守にしがたい雰囲気もある.

そして,悪いことは重なるもので,別の常勤衛生士のお子さんが麻疹に罹り,急遽,同じ日に休むことになった.

シフトを管理している事務長が,出勤者でやりくりできないか検討したが,どうしても2名の患者さんの予約はキャンセルさせてもらうしか方法はなさそうとのことでその方々に電話を差し上げた.

1名の方は特段の問題なく変更していただけたが,もう1名の方が「先日の診療も検診とクリーニングをお願いしたかったのにしてもらえず,別の日に予約を入れたのに...こちらも,小さな子供がいてそんなに自由に時間を変更できないので何とかしてもらえませんか?」とキャンセルが保留となった.

事務長から相談を受け,先日の診療でクリーニングができなかったこともあり,また(女性である)患者さんの都合も最大限考慮してあげるべきとのことで,分院のスタッフや休日であるスタッフ,産休中のスタッフ,育休中のスタッフなど,全てのスタッフから可能な人間で何とかならないかを考えてみた.

分院のスタッフを応援で頼む件は既に検討済みであった.休日の予定であったスタッフに臨時出勤できないかを聞いてみたが,外せない予定があり難しいとのことであった(彼女の名誉のために付け加えるが,恐らく彼女の性格から,最後には,都合をつけて出勤すると言い出したと思う).

残す手は,産休中のスタッフであるが,ここは最後であろうと,育休中で最近,出勤し始めてくれたスタッフにお願いしてみた.

すると,お子さんを連れてなら出勤可能であるとのことであったので,就業中は事務長がお子さんの面倒を見るということで快諾いただけた.

一応,今回の問題は何とかなったものの,これらの事からわかるように,女性の活躍を阻む課題を解決することは容易なことではない.

女性歯科医師も歯科衛生士も,できれば自分の仕事を続けたいし,何の障壁もなく仕事をしたいと思っている.

しかし,現実には出産を代わってくれる人も,母親の代わりを務めてくれる人もいない.ここの現実を受け入れざるを得ない.

長らく,『女性の、女性による、女性のための歯科医院』作りを試行錯誤してきて分かったことは,自然にはかなわないということ.それをうまく利用し,少しずつ皆で助け合うしか,女性が活躍できる社会は達成できないと考える.

今回に限らず,アクシデントに対処できるのは,常勤,非常勤,産休,育休を含めた全スタッフが,少しずつ出来ることを協力し合えたからだと思う.これは,通常仕事量に対して全スタッフ数が多い当院だからこそできたと思う.つまり余裕を持った人員構成があったからと言える.

そんな皆さんの協力に感謝したいと思うとともに,是非,政府には保育施設の加増,産休と育休中の手当(本人と事業者に対する),歯科診療報酬の適正化をお願いしたい.
コメント
コメントする









トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://blog.arkdent.com/trackback/225934

▲PAGE TOP

最近のエントリー
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
カテゴリー
過去のエントリー
カレンダー
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< December 2014 >>
ブログ内を検索


LINKS
PROFILE
モバイル
OTHERS